More始動イベント 「the Banquet of Dunamis」@高田馬場AREA 2015/6/25 (日本語バージョン)
2015年6月25日、Moreが高田馬場AREAで始動イベント 「the Banquet of Dunamis」を主催し、新しい活動を始める日だった。
出演した親友バンド、My BACTERIA HEAT IsLAND、Sel’m、LIPHLICH、defspiralが自分の音楽で激しく攻めまくりながら、優しいお祝いをした。ラストのゲストバンドdefspiralが最後の音を終わらせ、情熱を燃えられた観客が汗を拭き、お互いの息が聞けるほど静かに今日の主役・Moreの登場を待つ。
暗転、女性の不思議な三重唱が流され、幕に空、昆虫や解説文字の映像が映された。「止まっていた時計のねじを巻く。歯車は正しく動き始めた。」と、長い時間の準備活動をしてき、やっと披露の時が来た。
そして、幕がゆっくりと開け、煙と青い光りの中、黒いシャツと白いネクタイをしたMoreの五人が舞台に姿を現した。
羊の角をしたVo.のLokiが目を閉じながら淡々と歌い出した〈Dawn〉。蝶々とテントウムシなどの昆虫を頭に飾ったGt.のJUDY隼のギターがその憂い歌声と共に会場に響き渡った。それから、緑の羽根を髪に飾った由寧のドラムと、余計な飾りのないEn’yaのベースとサポートの山光のピアノが一気に投入し、やや不穩なリズムに変化し、繊密な音を作り上げた。「何もかも傍で微笑っているその笑顔で満たされて・・・」と一段演奏し終わり、Lokiが「いくはず。」と歌い続き、迷いを拭く。決意を表すように楽器隊がどんどん力を入れ、音をオーディエンスの心に深く深く嵌らせていく。
続きの〈残り香〉、JUDY隼がギターの不協和音をガチャガチャと弾いてから、En’yaが長い指を滑らかに使い、ベースサウンドを踊らせ、音風景をパッと変わった。赤と青のライドに浴びされたLokiが腰を柔らかく振り、手が髪の毛から唇に触りそうで触らず、大人の色気で会場を魅了させた。
最後の音を締めたあと、Lokiが低い声で「ただいま。」と告げ、客席から温かい拍手が伝われ、JUDY隼とEn’yaが穏やかな微笑みを見せた。「最初で最後のMoreファーストライブ、最後まで楽しんでください。じゃあ、次の曲、〈チェシャ〉。」
三曲目の〈チェシャ〉がMoreならではの絶妙なタイム感を披露した。ごりごりと鳴らすベースと跳ねるピアノに観衆が肩を愉快に揺らし、次の瞬間にギターとピアノが嵐のように乱暴に渦を起こす。このように長い羽根のまつ毛が激しく揺れた由寧が拍子を頻繁に変わり、加速したり、減速したりをした。予測不能の音の中、驚く顔で周りを見るLokiは、まるで不思議の国のアリスのチェシャ猫のような女性に翻弄された男を演じており、ドラマチックな展開で興味深い曲だった。
鮮やかで透明感のあるピアノが魅力的な〈琥珀〉、次に〈廻る夢と激情と〉は控え目のAパートとBパートとは裏腹、ザビが一気に疾走感を爆発。JUDY隼が我を忘れるように体を荒々しく回し、会場全員も思わず手拍子をした。
青と緑の照明に照らされ、靜寂の中にラストの一曲〈追憶、そして剥離〉のピアノが流され、Lokiが強く手を胸に握りしめながら、悲しみと苦しみを混ぜった声を放つ。曲が終わり、切ない感情が会場に残され、広がる。そして、幕がゆっくりと閉じ、「2nd DVD《morphe》をリリース、それに伴うレコ発ライブを開催」という告知映像が流れだし、今日の公演を終了した。
激しく煽るバンドが主流の中、丁寧に緩い曲調で攻めてくるMore。時間軸に捉われない音、遊び心が満載の展開に衝撃だった。長い眠りから目覚めた羊達が今後どんな作品やライブを見せるのか、ぜひ楽しみにしてください。
(按此閱讀中文版)
SETLIST
1.Dawn
2.残り香
3.チェシャ
4.琥珀
5.廻る夢と激情と
6.追憶、そして剥離
VROCKHK
文:九江雙蒸